青森ねぶた2009 Vol.23  〜 シリーズ 昨日[5月18日]のねぶた小屋 vol.16 〜
 おそらく、今年出陣する『青森ねぶた』の中で、ねぶた本体に紙貼りをし始めたのは、『北村隆』が制作する『青森山田学園』が最も早かったのではないかと思う。
  今年からねぶたの製作風景を見せて貰っている私には判らないのだが、数年間弟子としてねぶた小屋に通っている吉町勇樹君(20才)の話によれば、紙貼りの人たちが出入りしていると、小屋の前に彼女らが乗り付けた車が駐車するために、傍目からでも『紙貼りが始まった』と判るのだと言う。なるほど、アスパムの西側に位置するねぶた小屋(東側にもあるが、こちらは作業が比較的遅い)の中で、これほど乗用車が集っている小屋はまだなく、先月の26日以来、二週間という短期間で骨組みが完成した『青森山田学園』のねぶたが、先陣を切っての紙貼りが開始されたことは、容易に推測がつくというものだ。
  一昨日までは、野郎ばかりが出入りし、飯場的な臭いがしたねぶた小屋は、これまで紅一点で頑張ってこられた北村氏の奥さんが率いる紙貼り女性軍団に、一挙に乗っ取られてしまったという有様だ。その数、二十人!
撮影日/平成21年5月18日
Picture Date
May 18, 2009


昨日の『北村隆ねぶた』の
進捗状況です!


「いつもは5人くらいしかこないっすよ。今年は三台のねぶた作るし、今日は初日だから、これほど沢山来たんだと思うけど」と吉町君が語ってくれたように、昼食時や休憩時間は特に一カ所に集うために、ねぶた小屋の雰囲気が180度変わってしまったようだ。(写真37,38)
 そんな様子を写真に収めようと、あらゆる角度から撮影し続けた私のカメラも、昨日初めて一日の撮影枚数が1400枚超を記録し、これまで使用してきた32GBのコンパクトフラッシュも1枚で足りずに二枚目に手を付けてしまったほどである。そして、先月の25日から本格的にメインカメラとして使い始めた『EOS 5D MarkU』も、累計の撮影枚数が二万枚を超えるに至った。このハイペースさも異常だ。ISO1600にしても、決して映像が破綻しないその絶対的な高画質を誇る『EOS 5D MarkU』は、今月、『カメラ記者クラブ』主催の『カメラグランプリ2009』を受賞するなど、世界的な評価も高く、天気の悪い日には意外に暗いねぶた小屋内でも、ストロボを使わずに使用できる強みがあり(画質に関しては、文句の付けようがない・・・!)、本日までの写真群を支えていると言っても過言ではないだろう。(『カメラグランプリ2009』を受賞してから、『価格.com』での最安値価格が一気に跳ね上がり、各地で品薄状態になっている有様なのだ。)
  ということもあり、本日は45枚のスナップショットをアップした訳だが、これほどの量となると、写真が出揃うまでにある程度の時間がかかるために、閲覧する皆様方には、本当に申し訳ないと思っている次第だ。
  しかし、掲載している写真はあくまで鮮度の高い『昨日のねぶた小屋』で撮影された素材であり、二日に分けて掲載する訳にもいかずに、一挙公開となった旨をご了承抱ければと思っております。
  こうして改めて昨日撮影した写真を眺めてみると、無骨な男の手で作られたねぶたの骨組みは、繊細な女性の指先で張られた肉として躍動をし始めるのだな・・・と、天地創造の過程を眼にするようで、とても詩的な感銘を受けてしまった。
  ねぶたは、『ねぶた師』が監督を務める一本の映画フィルムであり、多くの優秀なスタッフによって支えられている総合芸術でもあることが、よおく理解できた瞬間でもあった。
  因みに、北村ねぶたが使っている紙は、雨が降っても容易に破れないように、通常の価格の三倍もする高価なモノが使われているという。
写真1 紙貼りの女性たちの、その真摯な視線を観ていると、一人一人が北村ねぶたを完成させるアーティストであると感じさせられる。 

写真2 午前九時、さあ、『青森山田学園ねぶた』の紙貼りが始まるぞ! 紙が運ばれてゆく。
写真3 昨日までの飯場は、女性たちの姿と声によって、炊事場のような雰囲気になっていた。
写真4 まずは、手の届かない場所から紙貼りを始める女性たち。
写真5 接着剤の補給も欠かせない。
写真6 北村氏のお嬢さんも、父のねぶた製作を手伝う。まずは針金に歯ブラシでボンド(接着剤)を塗ってゆく。
写真7 続いて針金の枠に紙を貼り付けてゆく。
写真8
写真9 続いて、針金に沿って、カッターで紙を切ってゆく。
写真10 北村氏の奥さんの動きは、さすがに手慣れている。 
写真11 続いて、カッターが浅切りした紙を、手で裂いてゆく。
写真12
写真13 
写真14 余分な紙は、ハサミで切ってゆく。
写真15 ささくれが出ると上手く色が塗れないので、ボンドを付けて、ならしてゆくのだ。
写真16
写真17
写真18
写真19 細かな部分は、ベテランの紙貼りの仕事だ。
写真20
写真22 紙貼りの女性たちが着ているのは、『隆』の名前をあしらった本年度の深紅のエプロンだ。
写真22 ボンドやカッターを吹く手ぬぐいも欠かせない。
写真23
写真24
写真25
写真26 ハサミが、紙を切ってゆく。
写真27
写真28 針金がしっかり結ばれていないと、なかなか綺麗に紙が貼れない。だから繋ぎを更に固定するために、紐も使われる。
写真29
写真30
写真31
写真32 最上部の観音経の紙が貼れないために、急遽穴を開けることを決断する北村氏。
写真33 北村氏によって開けられた穴から、お嬢さんが紙貼りをし始めた。その横では、奥さんが丁寧に紙を貼ってゆく。さすがに、二人の作業は早い。
写真34
写真35
写真36 紙貼りもだいぶ進んできた。
写真37 昼食時には、この様子。
写真38 喫煙者だけの密談!? 秘密会議だったようで、睨まれてしまった。
いえいえ、『ねぶた大賞四連覇』を願って作られる『スタッフ・ジャンパー』の申し込み用紙に記入している所です。
写真39 閻魔大王の袖口が仕上がりつつある。
写真40 最上部の観音経は、こんな具合。冬が厳しい青森の、白く美しい雪原のようにも見える。
写真41 午後五時の終了前は、こんな感じになっていた。
写真42
写真43 紙貼りの女性軍が帰宅した後の、ねぶた小屋の様子。
写真44 青鬼の跳ね上げた足も、足の形になりつつある。
写真45 閻魔大王の頭部と左袖、そして錫杖(しゃくじょう)を握る左拳が完成しつつある。
 
 
 
 
使用カメラ
撮影カメラ
EOS 5D MarkU