〜 桜の花言葉は『精神美』『純潔』 〜  さくら サクラ 桜 2009 Vol.4 - 麻生川に咲く桜 vol.4 -
写真1
撮影日/平成21年4月6日
Picture Date
April, 6 2009

〜さくらの『花言葉』〜
他には『高貴』『優れた美人』


 例えば、親しい男の友人から、紫色のチューリップを花束で貰う。
  脳天気な女性ならば、「うぁあ、綺麗なチューリップ!」と素直に喜んで終わる。
  普通の女性ならば、『でも本当は赤が好きだったのに・・・』と心で呟き、微笑んでみせる。
  ちょっとだけ気の利いた女性ならば、『チューリップなら、普通は赤や白や黄色の花束なのに、どうして紫色なの?』と思い巡らせ、ネットなどで『花言葉』を調べてみる。そこに、『永遠の愛』という文字を見つけ、『さっき頂いたチューリップの花言葉を知っていますか?』と勇気を振り絞り、相手の男性にメールを送ってみる。
  すると、じらすように時を置いて彼から届いたのは、『君ならきっと調べてくれると思っていました。それが今の僕の気持ちです』との単文が返ってくる。
  因みに、紫色のチューリップには、『永遠(不滅)の愛』、そして『私は愛に燃える』という花言葉が付けられている。
  こうして二人の関係は、親しい友達から、恋人へと移行するきっかけにもなってゆくのだった・・・。

  と、こんな演出が叶い結婚に至るカップルは本当に稀であり、お互いに知性を備えた男女なのだろうが、野暮な男性ならば、「これ(紫色のチューリップ)、綺麗だろ!?花言葉を調べてみてよ。ただのチューリップじゃなくて、紫色ってところに注目して欲しいんだ。それが今の僕の気持ちだからサ」と饒舌に贈った相手に語ってしまい、翌日には、彼女からのメールが一方的に途切れるか、ちょっと意地悪な女性ならば、小型の黄色いバラを相手に返す。小振りの黄色い薔薇には、『笑って別れましょう』との花言葉があるからだ。尤も、普通の女性なら、『あなたの気持ちを受け止められなくてごめんなさい・・・。もう逢うのはよしましょう』という単文を送るだけで終わるだろうけども・・・。
  特に日本人は、メールの短い文字に、感情移入をすることが好きなようである。面と向かって言えない言葉も、文面にしてみると意外に冷静になれ、“コクる(告白する)”ことも容易になるらしい。

 古来より、俳句や短歌の単文に、気持ちの機微を吐露してきた遺伝子が、そのような心境にさせるに違いない。『花言葉』を日本人が妙に気にするのも、その影響がなきにしもあらずと私は感じている。教科書での俳句の勉強の中に、おのおのの花々の季語を学んだという教育課程の影響も、加味されていることも事実なようだ。
  現在の日本の携帯電話市場は、“逆ガラパゴス状態”とのことで、日本だけが独自の進化を遂げているとのことだが、日本の携帯電話の発展の陰には、20年前には絶対的な男女交際アイテムであった自家用車に固執することなく、通信費や通信手段にお金をかけ始めた『5・7・5・7・7交際』をする携帯電話世代の潜在力が見え隠れしているのだ。

 さて、前置きが長くなったが、本日取り上げた『ソメイヨシノ/染井吉野』の花言葉は、『精神美』と『純潔』。他には『高貴』『優れた美人』がある。同じ桜でも、『枝垂れ桜』には『優美』の花言葉があり、そして『山桜』には『貴方に微笑む』という花言葉が備わっている。どこぞの大学の合格電報で使われる『サクラサク』は、日本の国花たるこの『山桜』から由来している。

 花言葉のルーツは、1600年代のオスマン・トルコ帝国時代に、様々な花が栽培され、そこで付け始められるようになったことから至ったようだが、エドヒガンザクラとオオシマザクラの交配によって、江戸時代に作られたとされる『ソメイヨシノ』が、オスマン帝国時代から花言葉を受け継がれている筈もなく、どうして付けられたのだろうという疑問を抱く方も少なくないだろう。
  現在の国産の花の『花言葉』の多くは、『財団法人 日本花普及センター(JFPC)』が、花の普及のために付けているらしい。つまりは、『花言葉』には付けた人間の主観があり、実は正解がないのだ。
  しかし、今や『さくら』の代名詞にもなった『ソメイヨシノ』の花言葉は、その咲き具合に相応しいものを感じさせてもくれる。

  2009年3月21日、気象庁・東京管区気象台は、靖国神社境内において、5,6輪のソメイヨシノの開花を確認し、桜の『開花宣言』を発表した。平年よりも7日早く、昨年より1日早いと言う。
  その6日後の27日に、私の義父が他界した。この日は折しも『さくらの日』であった。
  これは、日本に限らず、世界中に桜の木の植樹をしている『日本さくらの会』が、平成四年(1992年)に、“さくら(39ら)”が“咲く(39)”をもじり、3×9=27(サンクニジュウシチ)の語呂合わせで出された数字を『さくらの日』としたことから始まっている。3月27日は、平年(平均)ならば、桜が開花し始める日と重なる日時である。
  ということもあり、私は毎年この花を眺めると、生涯、義父のことを思い出すようになるのだろうとも感じた。仕事だけを生き甲斐に、精魂果てるまで稼ぎ続けた義父の顔が今も瞼から離れることはない。すばらしい人だった。
  私の実父は五年前の秋に亡くなり、その時、実家へと駆けつける折に、新幹線の車窓から遠目に眺め観た、深紅の彼岸花も忘れ得ぬ花となっている。
  彼岸花の花言葉は、『悲しい思い出』。正に、私にとってはその言葉に尽きる。
  桜と彼岸花、春と秋を象徴する花々の中に、亡き人を観る想いが続いている。




 咲き始めのソメイヨシノは、写真2,4,14,15のように、薄いピンク色をているのだが、時が経つに従い白さを増し、散り際は、写真12や16のように、花弁の生え際が、強く紅色を帯びてくる。これが『私はもうすぐ散りますよ』という桜のサインなのである。
  私は写真撮影の際には、この赤色を確認し、接写を試みるようにしている。より白さを強調したいのならば、こうした花を探し、瑞々しさを演出したいのならば、花びら全体がピンク色の花を探すのだ。また桜吹雪を撮影したい場合には、この花弁の赤色が木々全体に出た木が密集している並木を探し、天気が良く、つまりは気温が上昇した比較的風の強い時間を狙い、撮影に向かったり、待ちかまえたりしている。時間帯は午前11時頃から、2時頃までの間である。
  桜の接写は、実は簡単ではない。 桜が咲く頃は初春ということもあり、寒暖の差が激しいため、木陰で冷やされた空気が、暖められた地上へと激しく流れる。そのために、とても風が起きやすいのだ。この風に影響されるため、茎が動き、なかなか綺麗に撮らせてはくれないというのが、現実なのである。狙い目は、風に影響されやすい小枝の桜ではなく、比較的動きが少ない桜の幹に生え出た胴吹き桜である。時間帯で言えば、地上が太陽に熱せられる前の朝方か、地上全体が暖められ、風が一瞬凪いでくれる真昼のひとときだけだ。
  風の話でもう一つ思い出したが、例えば弘前公園の壕(水鏡)に映った桜の風景は、さざ波がない無風状態が続く早朝でなければ撮影は不可能である。
 たかが桜の写真だが、そこには、長年の経験で培った、美しく撮るための知恵が存在するのだ。

【花言葉シリーズには、他に、2005年5月29日付けの『鈴蘭(すずらん)』がございますので、合わせてご覧ください】

写真2
写真3
写真4
写真5
写真6
写真7
写真8
写真9
写真10
写真11
写真12
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写真14

写真15
写真16
 
使用カメラ
撮影カメラ
EOS Kiss X2 (EOS 450D)