寒立馬との再会 暖冬のアタカ - 5 - 寒立馬の鼻先で撮る!
写真1 「鼻先に、こんなにレンズを近づけたカメラマンは、初めてだなあ・・・。ちょい邪魔よ!」
撮影日/平成21年1月24日
Picture Date
January, 24 2009

寒立馬をカラーで撮る - 3 -

 ここ最近の暖冬の影響もあって、青森県内でも特に降雪が少ないと思われる尻屋の地では、更に雪の量が年々減っているように感じられる。
 7、8年前ならば、降った雪を蹄で掻き分け、地表の枯れ草をむさぼり喰う寒立馬の姿を連日のように撮影できた気がするが、同行したカメラマン仲間のすりぶる氏によれば、世界的な温暖化のため、そのような光景に出くわすことすら難しい状況になっているようである。
 馬たちにとっては確かに楽な暖冬なのだろうが、厳しい寒さの中で、生きるために必死に牧草を喰み続ける馬の姿を撮影しに来たカメラマンらにしてみれば、“悪天候に恵まれない悔しい撮影旅行”に思えてしまう。
  私たちが撮影した日は、運良く多少の降雪はあったものの、以前から通い慣れている私とすれば、やはり“猛吹雪との遭遇”という運に恵まれて欲しかった。
 さて、それではどうすれば、普段とは違った絵が短時間で撮れるのかと思案している内に、IXY-DIGITALを手にした当時からチャレンジしている、鼻先にカメラを置いて撮影するノーファインダー手法を思い出し、実行することにした。

 ノーファインダー撮影とは、その名の通り、ファインダーを肉眼で覗くことなく、カメラを自在に被写体に近づけ、感だけでシャッターを押して撮る手法である。
  以前のページでも書いたが、フィルムカメラならば、撮った絵がどのように写っているのかは現像まで確認できず、再度チャレンジするまでには、早くても一日、二日のタイムラグが生じたのだが、その点、デジカメならば、シャッターを押しては液晶で映像を確認し、微妙に角度修正しながらすぐに撮影を再開できるため、撮る映像も自ずとできが良い写真に仕上がる確率が高い。
 この日、私も寒立馬の鼻先にカメラを近づけてはシャッターを押し、撮った写真を確認しては、微妙に向きを変えて、とにかく連写し続けた。そうして撮った映像が、本日掲載した13枚の写真である。
  レンズは、被写界深度が深い、つまりはピントの合う範囲の大きい超広角レンズ『フィッシュ・アイ』を使用した。これがEF16-35mmでは、こうは撮れないだろう・・・。
  馬は自分の進む進路を塞がれることをとても嫌う。だから、できるだけ真正面ではなく、馬たちの進路の横にしゃがみ、カメラを持った腕だけを進行方向に置いて撮影を続けた。こうして苦心して撮った映像は、おそらく皆さんが眼にしたことがないカット群を産むことに繋がったのではないだろうか。
 寒立馬の中には、眼前に突き出されたカメラを、餌を差し出されたのかとばかりに鼻で臭いを嗅ぎ、中にはカメラを食べようとする馬までも居た。[写真10]
  しかし、このような撮影は、一歩間違えば馬に踏まれる可能性もあるので、私の場合も、馬の近くで何枚か撮影をしてみて、馬の気性をしばらく検分した上で更に近づいて撮影を行ったことを書き加えておきたい。いきなり近づいて、鼻先でバシャバシャ撮ったのでは、いくら性格が温厚な草食動物でさえも、恐怖心から憤ることも考えられる。
  テレビ番組のテロップではないが、“皆さんは、くれぐれもマネはしないで下さいね・・・。”

写真2 「寒さに耐えて喰う草は、やっぱり美味い・・・!」
写真3 「う、やっぱ、北風はさぶ!」
写真4 「あんた、そこで何してんの!?」と片眼で睨まれているよう・・・。
写真5 馬の鼻先が、しきりに左右に動き、草をはんでいるのが判ります。
写真6 こんな不思議な馬の姿は、普通に撮ったのでは、絶対に写りません・・・。
写真7 「もうすぐそっち行くから、後ろさがりなよ・・・」
写真8 カメラと鼻先の間は10pもなかったような・・・
写真9 そろそろカメラを引いた方が良いかもと思ったら・・・
写真10 うわっ!レンズを舐められちった!
写真11 食べ物でないと判ると、再び何事もなく、草を喰べはじめました・・・。
写真12 「あんた、今度はこっちに来たのね・・・」
写真13 「ほら、よけてくれないと、レンズ、囓っちゃうよ!
 
使用カメラ
撮影カメラ
EOS Kiss X2 (EOS 450D)