温暖化なら更に熱い夏にしようぜ!五所川原立佞武多 1 〔一挙13枚を掲載!〕
写真1 商店街を遙かに超える高さのねぷた。しかし、これは中型ねぷたなのです。
撮影日/平成20年8月8日
Picture Date
August, 8 2008
なぜか突然、五所川原立佞武多!
五所川原立佞武多特集 1

 五所川原(ごしょがわら)を訪れたのは、六年ぶりくらいになるだろうか。
  久しぶりに、この町を観て感じたことは、未だに津軽然とした雰囲気を残した、あくまで北東北らしいどこか寂びた田舎町であるにも関わらず、その様相が“とある祭り”の存在によって、大きく様変わりしてしまった感がある、ということだろうか。
  五所川原市は、津軽半島の付け根付近に位置する、人口6万2千人ほどの市である。『津軽』と一言で言っても、津軽為信が形造った城下町のある弘前を中心に、南は秋田県境の碇ヶ関、西は十和田湖畔、そして北に伸る津軽半島の突端までを広く指しており、此処五所川原は、方言や訛りは同じでも、再開発や道路の拡張工事によって、その風情を失っていった弘前とは対照的な、古き良き香りが未だに残っている町なのである。
 祭りが行われる五所川原駅近くのメインストリートには、耕耘機が商品として店先に置かれ、畑作用の種や苗だけを扱っている店さえ未だに存在する。 一瞬、我が目を疑いはしたが、この町で最初に眼にした生き物は、鳥でも犬でもなく、軒先を飛翔するオニヤンマであった。

  そんな片田舎の町が、今や仙台の七夕祭に次ぐ観光客を集める火祭りを催していると言うのだから、更に驚かされる。
  それこそが、今回、改めて紹介する『五所川原立佞武多(ごしょがわらたちねぷた)』なのである。
五所川原駅から徒歩で5分ほどの所にある『立佞武多の館』(後に紹介予定)は、三年ほど前に作られたらしい。以前は天空に高く伸びた大きくて粗末な小屋に入っていた立佞武多の山車本体も、今や冷暖房完備の近代的な設備に守られ、雪降る真冬を含め、一年を通して観光客が楽しめる博物館のような物産館となっていた。
  その昔、『五所川原ねぷた』 と総称された祭りは、弘前に育った私から観ても、『NEPUTA』との名称を持っていたのにも関わらず、扇ねぷたが主体の『弘前ねぷた(NEPUTA)』とは一線を画し、『青森ねぶた(NEBUTA)』のような人形ねぶた(組ねぷた)を母体とする山車のために、“弘前とねぷたと青森ねぶたを折衷した亜流(類似品)
”としか思えず、わざわざ車で1時間もの運転を経て、遠路観に行きたいとは思わなかった、小ぢんまりとした“知られざる夏祭り”だったことは確かである。
 それが、明治時代に実存した、空に聳える大型立ちネプタを現在に復活させ、祭りの名称も『五所川原立佞武多』と改名までし、高さ22メートルのこの巨大なねぷたの山車本体を引っ張るために、電線などの障害物を地中に埋めてしまったというその着想と努力に、そして、今や東北の夏祭りを代表する知名度まで引き上げてしまった五所川原人気質には、同じ津軽人として、正直頭が下がる思いである。町は相変わらず昔のままではあるが、祭り期間中だけは、弘前に負けない活気と覇気を含み、私が訪れた、ようやく『立佞武多』の名前が知れ始めていた六年前とは、明らかに違う空気が街中に充満していた。
 変わったのは、町の雰囲気ばかりではない。それまで、カメラを向けると逃げるように身をかわしていた子供達や祭り参加者が、こぞってカメラに撮られることを意識するようになっているではないか。これは、観光客の爆発的な増加によって、観られることを得意としない津軽人のじょっぱり(強情張り)気質が、内なるものから解き放たれ、表に出て自らをアピールし、魅せることに転化したためではないかとも考えられた。現実問題として、今から五年ほど前に、元祖『ねぷた祭り』を標榜する『弘前ねぷた』の観客動員数を、この無名だった『五所川原立佞武多』が抜き放ち、現在では、数多い東北の夏祭りの中でも、『青森ねぶた』や『仙台七夕』に次ぐ第三位(170万人超)の集客率を誇っている。
『五所川原立佞武多』は、際立った観光資源を持たない五所川原市民の救いの巨像であるばかりではなく、この巨大ネプタが登場してからは、不思議なほどに祭り期間は、強い雨に降られたことは殆どないという。今年は、青森ねぶたが初日、二日目と雨に祟られた事とは対照的な結果となっているのも、特筆すべき神ならぬ立佞武多の恩寵とも云えそうだ。現実問題として、この山車の巨大さゆえに、強風には弱く、また雨が降ったとしても、青森ねぶたのようなビニールシートを持ってはいないだけに、それこそ祭り関係者は、好天に恵まれるよう、本当の神々に願う気持ちは、人一倍強いらしい。
  さあて、本日から数回に渡って掲載する、五所川原立佞武多の全貌を、ずっぱど味わってけろじゃ。
 


写真2 中型ねぷたと云えども、とにかく高い!
写真3
写真4 青森ねぶたのような人形ねぷた(組ねぷた)も登場するぞ!
写真5 ジャガラギを叩く彼の後ろのねぷたも、まだまだ中型の立ちねぷただ。
写真6
写真7 これが真打ち、大型の立佞武多。高さはなんと22メートル!重さ16トン!六階建ての高さほどもある!!
写真8 見上げてもとにかくでかい!平成十八年度の立佞武多『絆』。
写真9
写真10 五所川原立佞武多の掛け声、「やってまれ、やってまれ〜!」と女の子も叫ぶ。
写真11 立佞武多『絆』の前で、親子の絆を深める??
写真12
写真13 平成二十年の新作『不撓不屈(左側)』と『芽吹き心荒ぶる(右側)』が並ぶ。
 
使用機材
撮影カメラ
EOS-1D
使用レンズ
EF16-35mm/EF15mmFisheye
スピードライト580EXU/トランジスターパックE(Ni-Cd)