激しい腰痛の中、やっと撮ったゼ! 青森ねぶた祭 2 〜ねぶた大賞2〜 豪雨の中で
写真1 見よ、この豪雨!と、そんな中でも囃子を続ける津軽人の心を!
撮影日/平成19年8月7日
Picture Date
August, 7 2007
もう、こんな豪雨はいや!
 
 青森ねぶたを本格的に撮影し始めて、今年で七年になる。
  その間、様々な要因で撮影が困難になったことが幾度かあった。カメラが故障し、急遽キヤノンから借り受けて撮影に臨んだことや、コンタクトレンズの片方が破損し、利き目の右側にだけレンズを入れて撮影し続けたこと。そして、降り続ける雨のために目を擦り過ぎ、結膜炎の真っ赤な眼で視界が霞む中、残り5日間撮り続けたことなど・・・。今となってはどれも懐かしく、それでいて二度と体験したくはない想い出であるが、今年ほど悪条件が重なったことは、私の歴史の中でも、未だかつてなかった。8月7日の、いわゆる『七日日(なぬかび)』と呼ばれる、ねぶた運行最終日の撮影に、昨日臨んで来たのだが、激しい激痛を伴う腰痛は、今年、『ねぶた撮影』の初陣をやっと迎えた昨日よりも酷くなり、縁石の段差に靴が引っかかる度に激痛が背骨を襲い、歩行速度はまるで脱糞した下着を穿いて歩く小学生のように、遅々としたものであった。そればかりか、これまでにないほどのスコール的な豪雨が、運行が開始された13時過ぎに襲った。(写真1)
  雨の勢いは凄まじく、『ねぶた大賞』を受賞した、ねぶたの山車にビニールシートを被せる間もなく、結局は『扇子持ち』と呼ばれるねぶたを先導する係が、シートの使用を見送るに至ったほどである。(写真2と3)
 写真1を取り終えた私は、後方でビニールシートを被せようと四苦八苦している若人たち(写真3)を、間近に撮影したかったのだが、腰痛のため走って近づくことはできなかった。
  そのため、被写体にできるだけ近寄らなくても撮影可能な万能レンズ(EF35-350mm)を一本だけ使用し、ズームを駆使することでなんとか撮ったという訳である。(写真2は、写真3撮影後に、よちよち近づき撮ったものである)
  まあ、これだけの豪雨であれば、別レンズ(例えばより広角、より望遠)を装着したカメラでもない限りは、レンズ交換など不可能な状況であったことは確かである。しかも、防滴対応カメラでなければ、実際に撮影できた可能性は低い。カメラに防滴用のビニールシートを被せて撮るという手段もあるが、これでは操作性が悪くなり、私はできるだけ汗拭き用のタオルをカメラやレンズに巻いて対応している。
  私のカメラ自体は防滴仕様の優れた機種だが、今回使用したレンズはその機能がなく、雨の中、長く撮影していると、蒸発した水滴がレンズ内に忍び込み画像が曇ってきて、望んでもいないのに、紗が掛かったようなソフトン効果を産んでしまう。
 そしてレンズと同様に、雨の影響が心配されるのが、デリケートな電子部品でもあるストロボなのだ。この内部が濡れると、正確なガイドナンバーでの閃光が不可能になってしまい、酷い場合には使用できなくなることも、既に体験している。
 話は変わるが、昨日は、近年にないほどプロのカメラマンらしき人間が異様に少なかった。雨を予期して、撮影を敬遠したともとれるし、夜のねぶた以外には、興味がないのかも知れない。しかし、本来の精霊流し的な行事であったねぶたにとって、海へと誘う七日日が最も大切な行事であることは、確かなのである。
 とにかく、このような豪雨の中、しかも腰痛で碌に歩けないもしない状態での写真撮影は、生涯二度と体験したくはない!と、思った次第である。

P.S.
 この日の撮影を終えた頃には、写真1に写る囃子方以上に、びしょ濡れになった私を、不思議な生き物でも見るように冷たい視線を送る観客達が居た。それもその筈、豪雨になりだした途端に傘を広げたり、軒下に避難した観客から見れば、直接ねぶたに参加した様子でもない私が、なぜにこれほどに濡れているのか解らなかったのだろう。おまけに、腰痛による激痛のため、上記した通り、脱糞した下着を穿いた小学生のように、小股でよちよち歩きしかできない。しかも背中には大量の荷物(カメラ機材)を背負い、腰が曲がったその様子は、まるで精神異常者にでも映ったに違いなかった。向こうから来た子連れの母親が、私の様子に驚いたのか、すれ違いざま子供を私とは反対側に引っ張り寄せた。
 その濡れ具合は、なるほど凄まじく、帰りの電車に乗る寸前まで、ズボンからは雨滴がしたたり落ち、床を濡らす始末・・・。
 駅に到着してベンチに腰を下ろすと、待ってましたとばかりに激痛が襲った。
 そして、本日4個目の痛み止めを服用する。問題は、撮影時よりも更に酷くなった腰痛のため、このベンチから腰を上げ、無事に列車に乗り込めるかという現実であった。
 撮影での代償は躰以外にもある。二台持参していた携帯電話の内一つを、鞄に入れるのを忘れていたために、豪雨に曝された電話は、ミュージックプレイヤーの機能を停止していた。今年の初めにウン万円で買ったばかりのワンセグ携帯だった・・・。
 私はこのような予想外の出費を、『神が望んだ撮影料』と呼んで“いろいろと不満は感じる”が、素直に出費に応じるようにしている・・・。
 今回の腰痛と云い、人生、諦めることも大切なのだと感じた。その後に、何かで補えば良いのだから・・・。  

写真2 一瞬であったが、バケツをひっくり返したようなこのような雨を、私はねぶた撮影で体験したことは未だなかった。
写真3 ねぶたにビニールシートを被せようとする若人たち。しかし、あまりの雨にラッピングを断念し、やがて動き出した。
 
使用機材
撮影カメラ
EOS-1D
使用レンズ
EF35-350mm
スピードライト550EX/トランジスターパックE(Ni-Cd)
使用ソフト
レタッチソフト
Photoshop CS3 EXTENDED+Photoshop Lightroom 1.0(データ管理・抽出)
ロゴ製作ソフト
Illustrator CS3
WEB製作ソフト
Dreamweaver CS3
文章作成ソフト
一太郎2007+ATOKプレミア