雅な津軽の夏 ねぷた/ねぶた祭の頃 13 〜弘前ねぷた祭 7〜 〔9枚〕
 津輕人の意地っ張りの強さを、『じょっぱり』と言う。日本語の『強情を張る』から来ているのだが、それに輪を掛けて更に『強情を張って譲らない』こと、または人のことを、『ごうじょっぱり』とも呼ばれている。
 津輕には、こうした風雪に耐え、忍び難きを忍び一所懸命に生きてきた、『決して自然や逆境には屈しない』、『他人には負けたくない』という人間が、他の地方に増して数多く存在すると言われている。
 その証として、常軌を逸した鍛錬と忍耐が必要な『角界』に、抜きんでて歴代横綱を排出しているのが、人口僅か150万足らずの青森県であり、他人に勝つことを最優先とする『格闘技界』にも、数え切れないほどの名選手が産まれている。写真1,2,9に写る大型太鼓は、そんな津輕人の気質を言い表した『剛情張り』と『太鼓』を絡め、『剛情張太鼓』と呼ばれているが、この大太鼓の以前にも、一回り小型ではあるが、当時としては日本一の大きさとされた『情張り(じょっぱり)太鼓』が存在した。(文面は【写真1】下方へと続く)
撮影日/平成17年8月1日〜8月5日
Picture Date
August, 1st through
August, 5th, 2005

太鼓の上の
女たち
 
写真1 剛情張り太鼓の上で太鼓を叩く女性四人衆。江戸風に言うなら、鯔背(いなせ)なおなご(これは津軽弁で“おんな”を指す)たちである。
  1970年/昭和45年、太鼓の直径が3.3mと、当時としては絶対的な偉容を誇った『情張り太鼓』だったが、その二年後、同じ津輕でもある青森市の『出世太鼓(直径3.36m)』に、日本一の座を譲っている。
  まあ、津輕藩内でも『弘前』と『青森』は昔からライバル意識が強い同胞で、その気風が、元祖よりも更に巨大化・観光化させていった『青森ねぶた』を育んだとも言えが、同じように、『太鼓を造るなら、たとえ三センチであっても、弘前なんぞに負けたくない』とする気骨こそが、津輕人特有の『じょっぱり』根性そのものだった。
  その後、青森の『出世太鼓』も、これも同じ津輕にある黒石市が造った『もつけ太鼓(昭和60年/3.68m)』に抜かれている。決して広くはない津輕領内で、日本一の太鼓造りの競い合いが、こう次々と加熱すれば、もう意地でも元祖の弘前市が負ける訳にはいかなかった。
  そうして、いよいよ1993年/平成5年に登場したのが、直径が4.30mという、当時としては間違いなく日本一(世界一とも呼ばれた)の巨大太鼓『剛情張太鼓(弘前市)』であった。(1989年/平成元年に登場した『津軽剛情張り大太鼓(弘前市中央青果・直径4.00m)とは別物)』
  その後、1996年/平成8年に修繕に出された『剛情張太鼓』だったが、張り替えに使用する巨大な牛の革が見つからず、現在では太鼓の(革張りの)直径が3.98mと、一回りほど小型化してしまっている。しかし、現時点でさえ、山梨県大月市にある『世界平和太鼓(4.8m)』や、アイルランドの『太鼓(4.7m)』に次いで、非公式ではあるが世界第三位の大きさを保っている。
  前出したように、世界規模の太鼓を造るためには、表と裏に使用する巨大な牛の革が二頭分必要なのだが、五重塔の再建時に必要となる一本柱の巨木同様、なかなかその素材が育たないし見つからないというのが、製作者の悩みであり、現状のようだ。ならば牛よりも巨大な象の皮を使うということも考えられたらしいが、音色が異なるとの理由で実現はしていない。
  津輕で育った男達がこうなのだから、津輕の女も美人で人がよい一方で、実は心根の強い女性が多いのも頷ける。
  例えば、太鼓に跨り、雄大に太鼓や楽器を打ち叩く、本日掲載した写真の女性達も、もしかしたら、そんな『じょっぱり気質』の“くのいち”らなのかも知れない。
  女性の立場や地位が男性よりも優位になりつつある昨今だが、日本広しと言えど、このような女性の姿を目にする祭は、そうざらにはないだろう。
  今宵は、そんな勇士・勇者たち乍ら、どこか可愛げな雰囲気も漂う女性達(おなご)の写真を集めて掲載してみた。
  因みに、かくゆう私も、間違いなく『剛情張り』の一人である。

写真2 『剛情張大太鼓』との文字が見えるだろうか?
写真3 時には強く、時には視線にさえ色気を漂わせ・・・
写真4 ジャガラギを手にした少女の笑顔が、太鼓の上で輝いてました。
写真5 写真では四人だが、実際は五人が並んで太鼓の上で叩いていた。その勇士は圧巻である。
写真6 ポーズもしっかりと決めて、その顔もまた凛々しい。
写真7 太鼓を叩く女性は、男性とは違い早め早めの交代が欠かせない。
写真8 ドンコドンコ、ドンコドンとの太鼓の合間に、ヤア!との気合いを入れている女性。 
写真9 太鼓の革が震え、そして太鼓の振動が全体を燃え揺るがす。
シャッタースピードは1秒。(下表参照)
 
撮影データ
写真1
ISO 200 シャッタースピード 1/20秒 絞り値 F5.4 TTL
写真2
ISO 200 シャッタースピード 1/15秒 絞り値 F5.2 TTL
写真3
ISO 200 シャッタースピード 1/15秒 絞り値 F5.9 TTL
写真4
ISO 200 シャッタースピード 1/60秒 絞り値 F5.2 TTL
写真5
ISO 200 シャッタースピード 0.4秒 絞り値 F7.0 TTL
写真6
ISO 200 シャッタースピード 1/60秒 絞り値 F4.8 TTL
写真7
ISO 200 シャッタースピード 0.8秒 絞り値 F6.4 TTL
写真8
ISO 200 シャッタースピード 1/40秒 絞り値 F4.8 TTL
写真9
ISO 200 シャッタースピード 1秒 絞り値 F13 TTL
撮影カメラ
EOS-1D
使用レンズ
EF16-35mm/EF15mm Fisheye/EF35-350mm
ストロボ
スピードライト550EX/トランジスターパックE(Ni-Cd)
使用ソフト
レタッチソフト
Photoshop CS(一部CS2を使用)
ロゴ製作ソフト
Illustrator CS/FIREWORKS MX2004
WEB製作ソフト
Dreamweaver MX2004
文章作成ソフト
一太郎2005+ATOK