※ このページは、2000-2004年まで続いたHP『津軽海渡のデジカメ紀行』に掲載していた写真や文面を、そのまま復刻させたものです。
   リンクは既に繋がっていないものが殆どであるため、その旨御了承下さい。
 
本日【2003年8月10日(日曜日)】の1枚の写真は!?
 
 
【津軽の発情期!ねぷた・ねぶた祭 8/これが今年のねぶた大賞ゥ!2】
 
 
  本日は9枚の写真を掲載いたしました。


  直木賞作家でベストセラー作家でもある浅田次郎氏が、以前にエッセイにこんなことを書かれていた。一言で言えば、『運のない人間とは付き合うな』ということだった。

  それまで彼は競馬で飯を食べていた時代があったらしい。『種牡馬名鑑』と首っ引きで、夜を徹し明日の『菊花賞』など大賞の予想を立てる。そうやって苦労して立てた予想でも、当日のパドックにて走行する馬を観て、簡単に予想を変えることもあるという。
  いくら世界記録保持者でも、その日のコンディションでは上位にすら食い込めないことが人間でも起こるではないか。ましてや野生動物の馬は、敵に弱点を見られないために、たとえ体調が悪くても死ぬまで走るという。
  彼の本には、パドックでの馬の見方や、勝てる馬の違いから、競馬解説者の嘘までが事細かに書き込まれていて、競馬を全くしない私が読んでもとても興味深かった。
  全くしないとは、それまでは全くしたことがなかったということで、この浅田次郎の本を読み、本当かどうか一度だけ他人を通じ馬券を購入したことがある。(何でも体験が第一の作家がこれでは駄目だ反省はしているのだが…)
  その時は、スポーツ新聞片手に、テレビの中継にてパドックを観て、「この馬は体調がよさそうだ」と、自宅から知り合いの携帯に電話を入れて馬券を買ってもらった。
  するとどうだろう。大方の予想を覆し、浅田次郎のエッセイを信じてかった私の馬だけが『菊花賞』で勝つことができたのである!

  私は競馬に限らず、競輪やパチンコや花札、麻雀まで一切しない堅気に思われているらしいが、裏を返せば、物書きという一生を大博打にしてしまったような商売を歩んでいる訳だから、名うての博徒という訳である。
  だから人生の賽の目が転がる方向や、今自分に運があるかないかは結構気にして生きている部分がある。
 
  そんな折に浅田次郎のエッセイに出会い読み耽り、『運のない人間とは付き合うな!運の悪さは伝播する!』ということを知った。
  エッセイの中では、これまで競馬で付きに付きまくっていた自分のことを噂に知り、馬券を代わりに買ってくれないかとある男がやってくる。そいつは見るからに運がなさそうな男で、案の定、そいつと会ってからというもの、運という運から浅田氏は見放されてしまったという。(詳しくは浅田氏のエッセイ『競馬どんぶり』をご覧下さい。)

  いや、実際にどのような商売であっても、運のある人間の所に行けば仕事は不思議と転がっているし、運のない人間と深く付き合えば自分も窮することになりかねない。
  しかし、そこは友人知人にもそれぞれに家庭環境がある訳だから、私から拒んで付き合わないということは滅多にないし、不思議と自分が上昇気流に乗っている時には、運のないと思しき人間は近づいてこない傾向にある。一方で下降線を辿っていると、付き合いが増えてゆくから面白い。
  振り返ってみると解るのだが、運のない人間には運の向かない行動や言動を発する傾向があるし、第一非常に保守的で覇気のない人間が多いのだ。
  芸術分野ではある程度その場に立ち止まり、作調を保守することも大切だが、これは保守的だということとは全く違う。考え方が硬い人間には、まるで液体のように自在に形を変えて寄り添ってくれる『幸運』という霊気は追随してくれないようである。
  覇気は最も大切な力の源であり、立ち止まっていてはますます遠ざかる夢には追いついてゆくことさえも出来ない。とにかく前に出ようとする努力が年齢を重ねても、これは死ぬまで必要なのかも知れない。

  そんな話が今日の写真にどんな関係があるのかと思われる方もいるだろうが、今年、『ねぶた大賞』を受賞したねぶたには、確実に『幸運』が備わっているということなのだ。
  華やかなスター選手とは誰しもが握手し触れ合い、運を少しでも分けて貰いたいと思うのと同じだ。
  デジタルカメラを購入してから今年で4度目の夏になるが、その内の3度は、三年連続して『ねぶた大賞』を受賞した、この『JRねぶた実行委員会』のねぶたの側で撮影をしてきた。(過去の『一枚の写真』をご覧下さい。)
  津軽、いや日本を代表する火祭りで、最高の栄誉を受賞したこのねぶたは、この夏最も運付いた造形物とも言える幸運を宿している。
  その顔色はあざやかであり、気運の上昇する様は眩しいばかりのオーラとなって、観る者を圧倒する力強さが感じられる。

  と言いたい放題を書いてしまったが、『ねぶた大賞』のねぶたは写真に撮ってもとにかく絵になるのだ!
  その幸運の一部でも分けて欲しくて、私もシャッターを押し続けたのである。

〔本日の写真は青森県青森市内にて撮影〕

撮影日〔2003年8月6日〕

※ 使用機材 Canon EOS-1D×2/FE16mm-35mm/EF15mm Fisheye/FE35mm-350mm/スピードライト550EX×2/トランジスターパックE(Ni-Cd)

キヤノンEOS-1Dにて撮影されたRAWファイルを専用ドライバにて現像、『Photoshop』を使いレタッチし、リサイズして(JPEGにて)掲載。

【写真1】 扇子持ちに導かれ、『ねぶた大賞』の北前船が動き出す。
 
【写真2】 回転するねぶた。
 
【写真3】 『ねぶた大賞』のねぶたは囃子も凄いのだ。
とにかく、大企業の造るねぶたは、金がかかっているだけに壮麗だ!
 
【写真4】 これが夜間のねぶた『北前船』の後ろ姿。
 
【写真5】 「今年もJR東日本が『ねぶた大賞』を捕ったぜ!」
 
【写真6】 「おまけに『運行・跳人(はねと)賞』も貰ったぜ!
喰ってしまいてェほどに愛しい賞だぜ、へへへへ!」
 
【写真7】 「うおおおお!!『ねぶた大賞』と『運行・跳人賞』のダブル受賞はええなあ!」
 
【写真8】 「俺の所(青森山田学園)は、二等賞の『知事賞』だけど、こっちも凄げえだろう!?」
 
【写真9】 「いいねえ。両方共に制作者が北村隆先生だってのも、
俺たちにしてみれはラッキーよ。ねぶたの巧さじゃ日本一だもんな。
まあ来年も、皆でねぶたを盛り上げてゆこうぜ!」
 
 
使用機材
撮影カメラ
Canon EOS 1D