※ このページは、2000-2004年まで続いたHP『津軽海渡のデジカメ紀行』に掲載していた写真や文面を、そのまま復刻させたものです。
   リンクは既に繋がっていないものが殆どであるため、その旨御了承下さい。
 
本日【2003年8月5日(火曜日)】の1枚の写真は!?
 
 
【津軽の発情期!ねぷた・ねぶた祭 4/青森ねぶた 1 雨の中の青森ねぶた!】
 
 
  本日は9枚の写真を掲載いたしました。


『静』の弘前ねぷたに引き続き、『動』の青森ねぶたが2日から始まった。
  しかし、2日、3日と雨模様の天気が続き、せっかくのねぶたも巨大なビニール袋を被ったままの運行となった。

  私が青森に撮影に向かったのは3日のねぶた祭二日目であり、この日は時折豪雨に近い激しい雨が繁華街に降り注ぐ最悪のコンディションとなってしまった。
  天気図を見れば、明日(4日)辺りからは晴れ間が覗きそうな雰囲気があったものの、悪天候を承知で青森に向かったことが、結果的に悲劇を産んでしまう。
  豪雨の中で合羽も着ずに撮影を続けていたために、目に雨雫が入り、何度となく瞼を厚手のタオルで拭っていたのが悪かったらしい。コンタクトレンズを付けていたために、強く瞼を拭った際に、どうやら眼球に傷を付けてしまったらしく、翌日の早朝になって激痛で起床し、急ぎ眼科に行ったところ『結膜炎』と判定された。
  医師は最初にアデノウィルスによる『流行性角結膜炎』を疑っていたらしいが、眼球に綿棒を入れてのウィルス検査ではウィルスは検出できずに、何の理由か判らないまま、『結膜炎』と診断した。しかし、医師が話をしていたコンタクトによるらしい傷の確認から私が推測するに、上記の瞼を強く擦り続けた理由しか考えられないのである。
  ということで、炎症をおさえる目薬は貰ってきたものの、私の『結膜炎』は、瞼が腫れ上がり、表情が変わるほどに酷く、祭3日目にして、今後の撮影を断念せざるを得なくなってしまったのだ。左目だけでの撮影とも考えたが、利き目の右目を失ったことで、左目だけでは距離感がつかめないため、雑踏での撮影は大変危険だと判断した。せめて右目だけでも見えたら、また別の選択肢があったかも知れない・・・。

  雨の中ではあったが、『青森ねぶた』撮影の第一日目に、競技で言うところの自己新記録を叩き出せただけに、後の撮影が不可能になってしまったことがとても残念であった。
  この先、2日目3日目4日目と撮影し続けるに従い、確実に良い初日以上のいい映像を撮れるとの確信を得ていたのだが、こうなってしまっては、泣いても泣きききれない想いで一杯だ。

  雨が予想された当日、撮影を休むことも考えたが、『ハネトが濡れて踊っているのなれば、カメラマンも濡れて撮影をするのが礼儀だ!』と高をくくったのも悪かったのかも知れない。
  いくら防塵防滴性能に優れた1Dであっても、ストロボまでは対応しきれていないらしく、豪雨の中で1時間も使用していると、やがて正常な発光ができなくなるというトラブルに見舞われた。各種ボタンを押してもモードの切り替えもできなくなってしまったのだ。
  こうなったら撮影はマニュアルに限るのだが、それさえもボタン操作が不能になり、スムースに動いてくれない。加え、さすがに雨の中での撮影は予想以上に体力が消耗し、その頃になると撮影するという気力も萎えてしまっていた。
  ということで、本日掲載した映像は、祭が開始された18時50分から約1時間ほどに撮影した映像のみである。
  ストロボが順調に動いてくれれば、そして、もしも眼を傷付けねば、本日以上の面白い写真を見せれる自身があっただけに、悔しくて悔しくて仕方がない・・・。
  ねぶたをデジタルカメラで撮影してからはや4年目。青森ねぶたを撮影させたら、日本一のカメラマンになれるかも知れないと確信できた日だけに、このドクターストップは余りにも辛かった。

  思えば今回の『ねぷた/ねぶた』撮影は波乱の幕開けから始まった。
  先日まで特集していた『青い森の青い季節』シリーズを撮影し終わってから、一月半ぶりにカメラを手にし、ストロボをセッティングし、「さあ出かけようか」と準備しかけた8月1日の午後3時過ぎに、カメラに異常が起こったことを知った。
  プログラムモードにして、ストロボに充電を始めると、F値が22になったまま点滅を続ける。他のスイッチを弄ってみても、この症状は変わらず、私はまずしばらく見たこともなかった『スピードライト550EX』のマニュアルを読み始めた。
  しかしいくらトラブルの箇所を読んでも、該当する文面は見つからず、仕方なく『キヤノンサービス』の代表に電話を入れた。時刻は既に午後3時半を回っていた。
  対応に出た佐々木さんという若い方に症状を話すと、5分ほど待たされた後に、本人が専門の人間に訊いてきたらしい回答を告げられる。「故障かも知れません」
「え?」としか声を上げられなかった私は、担当者がカメラに余り詳しくない人だと感じ、昨年の『ねぷた/ねぶた』の撮影に向かう折にお世話になった『横浜サービスセンター』の清水さんに電話をしてみたのである。丁度一年ぶりの連絡となった。
  症状を告げると、即座に清水さんは、「カメラとストロボの接触部分の不良か、そうでなければ故障でしょうね」と答えてくれた。「1Vの時もF値が22で点滅を繰り返す同じような症状がありまして、ストロボ取り付け部分の接触が悪かったりすると、そのようになりますが、取り付け部分の掃除をして直る場合もありますし、もし直らないようであれば、故障ということになるかも知れません」とのこと。
『故障』との言葉に、私は一瞬耳を疑ってしまった。『そ、そんな、これから7日間連続で撮影というのに、殺生なことをしますなぁ、神さんも・・・』
  私は仕方なく、昨年も使用したストロボをマニュアルにしての撮影ならば可能ですか?と尋ねると、「それはカメラもマニュアルにしてということですか?でしたら、可能ですね」との言葉を貰い、一応はひと安心をした。
  昨年はカメラの露出やシャッター速度もストロボ設定も、そしてレンズまでAFを解除してマニュアルでピント合わせをして使用したではないか。今年も同じことをすれば良いだけの話なのである。
  そんなことを考えていた矢先、清水さんより、「何日まで撮影をしておられますか?」との言葉を貰い、「七日まで」と告げる。すると次に清水さんから告げられた台詞に驚いていた。
「もし宜しかったら、こちらから代わりの1Dをお送り致しますが」
  頭の中で一瞬回路がショートしたが、ほぼすぐ鸚鵡返し状態で、私は馬鹿な受け答えと知りつつも、受話器越しに叫んでいた。「え?それって、代わりの1Dを貸して頂けるということですか?」

  ということで、午後4時にも関わらず『横浜SC』の清水さんは急遽1Dとストロボを梱包してくれ、午後5時過ぎには青森へと発送してくれたのである。
  荷物は、翌日の12時半過ぎには実家に到着し、さまざまな設定変更をし終え、万全な形で二日目のねぷたに使用することができたという訳なのだ。
『キヤノンサービスセンター』の代表では無理を言ってもこのような対応は絶対にしてくれはしなかったろうが、さすがに『横浜SC』のベテランで、前回のオリンピック会場のキヤノンブースにて、CCDの清掃を担当していたというカメラマンの気持ちに最も近い場所で仕事をしていた清水さんの応対は違っていた。
 
  そうして迎えた、青森ねぶたの撮影第一日目であったが、今度はカメラではなく上記のような身体的トラブルに見舞われてしまったという訳である。もう撮影はしばらくできないかも知れないと悟った時、苦労して梱包してくれた清水さんに対しても、本当に申し訳ない気持ちで一杯であった・・・。
  しかし、本日の映像のすべては、清水さんから送って頂いた真新しい1Dで撮影したものである。
  さすがに代用の1Dは真新しいだけにカメラ自体には全く異常は感じられず、それだけに自在に動いてくれて良いものが撮影できたような気がしている。

  たとえこの映像が、今年の青森ねぶたの打ち止め映像になったとしても、それぞれすばらしい1シーンが撮影できたことを、このようなチャンスを下さった『横浜SC』の清水さんへの感謝を込め、心からのお礼を申し上げたいと思います。無理をして頂き、本当にありがとうございました。

  そして写真を御覧の皆さんにも、これ以降の撮影が不可能になり、写真を掲載できなくなったことをお詫び致します。
  医者にも目は使うなと言われましたが、なんとかここまで文面を書くことができました。いや、書かねばならないと思い無理を承知で書いてみました。
  今年もたとえ三日間でしたが、『ねぷた/ねぶた』の撮影ができたことは、皆さんの応援があってのことだと感謝しております。
  今回はとても調子がよく1Dを自在に扱えたという感があった。一月半ぶりにカメラを手にし、この日が撮影3日目でしかも、あと4日間ほど撮り続けることができたなら、もっとスローシンクロや露光間ズームの併用を使いこなせていただろうし、そうなったら一体どんな映像に仕上がったのかなと思い巡らすと、本当に残念でならない・・・。(TT)

※ 写真4はスローシンクロ撮影と露光間ズームを併用したもの。写真1.3.5.7.9はいわゆるノーファインダー撮影である。

〔本日の写真は青森県青森市新町通りにて撮影〕

撮影日〔2003年8月3日〕

※ 使用機材 Canon EOS-1D×2/FE16mm-35mm/スピードライト550EX×2/トランジスターパックE(Ni-Cd)

キヤノンEOS-1Dにて撮影されたRAWファイルを専用ドライバにて現像、『Photoshop』を使いレタッチし、リサイズして(JPEGにて)掲載。

【写真1】
 
【写真2】 弘前ねぷたの1日2日は後幕シンクロで撮影したが、この日のねぶた撮影は、すべて先幕シンクロを使用した。
先幕シンクロのため、ストロボが輝いてから消えるまでが雨脚となって最初の部分が特に白く写りこんでいる。まるで雪のようだ。
先幕シンクロ映像の特徴である。
 
【写真3】 写真1.3.5.7.9はいわゆるノーファインダー撮影。
 
【写真4】 スローシンクロ+露光間ズームを使用。
 
【写真5】 一瞬の仕草を的確に撮影するには、やはり先幕シンクロが有効だ。
 
【写真6】 『ひきて』と呼ばれる人(右端)がねぶたの動きを決める。
 
【写真7】
 
【写真8】
 
【写真9】
 
 
使用機材
撮影カメラ
Canon EOS 1D