※ このページは、2000-2004年まで続いたHP『津軽海渡のデジカメ紀行』に掲載していた写真や文面を、そのまま復刻させたものです。
   リンクは既に繋がっていないものが殆どであるため、その旨御了承下さい。
 
本日【2003年6月15日(日曜日)】の1枚の写真は!?
 
 
【青い森の青の季節(とき) 14/ベンセ湿原のニッコウキスゲ】
 
 
  本日は7枚の写真を掲載いたしました。


  この『毎日更新1枚の写真』に掲載する写真と、紹介する文面を打っているお陰で、知らずと花の知識が身付いてくるのは嬉しい。
  弘前に滞在中も、私が次々と花の写真を撮ってくるので、生来の花好きが昂じて『小原流いけばな教授 三浦豊京』という花道の免状を持つ母が、様々な茶花・山草の図鑑や花道の専門書を持ち出しては、いい話し相手ができたとばかりに、しきりに語りかけてくる。そんな話が嫌いではなくなった自分の年齢を意識し、それなりに楽しく、またそれとなく年をとったもんだと感慨深く思ったりもした。

  次々と外国から持ち込まれる花々とは違い、茶花にはさほど流行り廃りがないので、茶花だけを撮影して掲載してゆくのも楽しいかも知れないと考え初めていた矢先、御茶花でもある『ニッコウキスゲ』が咲き乱れる、県内では話題のスポット『ベンセ湿原』に行けることとなり、短い撮影時間ではあったが、撮影してきたものを本日掲載したという訳である。

『ベンセ湿原』は広さ約23haの、日本では南限の海岸低層湿原及び中間層湿原(苔状が幾層も重なって造られた湿原)であり、大変貴重なものであるという。
  この『ベンゼ湿原』近くには、『亀ヶ岡石器時代遺跡』があり、縄文時代の後期・晩期にかけて、この辺りには集落があったということが確認されている。それだけ自然が豊かであり、人々の食料となる動植物が豊富に混在した証拠であろう。
  インターネットで調べてはみたが、残念ながら『ベンセ』とはどういう意味なのかを知るまでに至らなかった。

  花を持って帰ったり、散策径以外に人が入らないように監視して歩いていた管理人のおじさんの話によれば、この『ベンセ湿原』は、昨年辺りから観光客が急激に増え、テレビなどでもニッコウキスゲの開花情報が放送されたこともあり、今年は去年にも増して観光客が増えたという。
  春は水芭蕉の白で、6月にはニッコウキスゲの黄色で、そしてこれから夏にかけては、花菖蒲の紫色に湿原は染まるらしい。
  青森県に、このような貴重な湿原が古くからあったことなど、全く知らないでいた自分が恥ずかしくもあった。1983年には、『日本自然百選』に指定されているという。

  最後に、本日写真を掲載した『ニッコウキスゲ』は、漢字で『日光黄菅』と書くユリ科の多年生植物であり、別名をゼンテイカ(禅庭花)とも言う。
  関東地方では標高が高い日光市などに咲いているが、北日本では比較的平地にも自生し、誰が育てても栽培が容易で簡単に増え、しかも食用としても安全(下記参照)なことから、最近では公園などに好んで植えられている。
  花は径7cmほどのラッパ方の濃い橙黄色をしたものを、高さ70cm〜100cmの茎先に数個付け、朝顔と同じように朝開いて夕方しぼむ一日花のため、デーリリーの名で呼ばれてもいるらしい。しかし、次々と蕾を付け花が開いてゆくために、群生地に行くと一日花であることを思わせない力強さを感じる。
『ニッコウキスゲ』の名前の由来は、同じユリ科の『キスゲ』に似ていることからきており、『ニッコウ』は、栃木県の日光地方に多く自生していることからとも、日光を好んで咲くためとも言われている。
『ニッコウキスゲ』の名前の由来となった『キスゲ』は別名『夕菅(ゆうすげ)』とも呼ばれ、『ニッコウキスゲ』とは違い夕刻に花開き、翌日の昼近くには花がしぼんでしまう夜咲きの珍しい花である。この二つは花こそ似ているが、まるで朝顔と夕顔のような対照的な花なのだ。
  これは女性の方には必見の知識だが、これらの花々(『ニッコウキスゲ』『夕菅』)は食用にもなり、花の味は癖がなく淡白な甘味があり、かの女帝・西大后も美容食としていたらしい。加熱しても色変わりも型崩れもしにくいため、見た目を重視した料理に重宝するという。
  加え全草はビタミンAやCが豊富で薬用として食べられ、強壮・解熱・不眠症・二日酔い・貧血・疲労回復・目のかすみ等に効き、鉄分は実にほうれん草の20倍という驚異的な植物とのこと。

  どうだろうか。栽培がそれほど簡単ならば、美容と健康のためにも、皆さんも栽培してみてはいかがだろうか?だからと言って、『ベンゼ湿原』から盗んではこないようにね。

〔本日の写真は青森県木造町にある『ベンセ湿原』にて撮影〕

撮影日〔2003年6月7日〕

※ 撮影したRAWファイルを現像、JPEGに変換し、リサイズにより掲載。

【写真1】
 
【写真2】 フィッシュアイで撮影すると、こんな具合。とにかく凄い数の花である。既に夕刻に近い時間となっていた。
 
【写真3】
 
【写真4】 この日は風が強く、『SIGMA MIRROR 600mm(マニュアル)』で ピントを合わせるのには、
ミラーアップ撮影をしていたこともあり、 大分苦労させられた・・・。
 
【写真5】 湿原のニッコウキスゲには、蜜を吸う蟻たちが群がっていた。
 
【写真6】
 
【写真7】 朝咲いて、夜には散る一日花の『ニッコウキスゲ』が、これほど咲き揃っている風景は、滅多に目にする機会はないだろう。
 
 
使用機材
撮影カメラ
Canon EOS-1D
撮影レンズ
EF100mm MACRO/EF15mm Fisheye
FE35mm-350mm/SIGMA MIRROR 600mm
その他