※ このページは、2000-2004年まで続いたHP『津軽海渡のデジカメ紀行』に掲載していた写真や文面を、そのまま復刻させたものです。
   リンクは既に繋がっていないものが殆どであるため、その旨御了承下さい。
 
 
本日【2003年6月14日(土曜日)】の1枚の写真は!?
 
 
【青い森の青の季節(とき) 13/ブナ林の記憶 2 根回り穴】
 
 
  本日は5枚の写真を掲載いたしました。


  若葉が芽生える頃のブナ林の写真を目にした人の中には、根元の残雪が丁度幹の周りだけ溶けてしまっている『根回り穴』というものに、目を止めた方も多かったのでないだろうか。
  撮影してきたばかりのブナ林の映像を、私が宿泊したYHのホステラーに見せた中でも、「この穴はどうしてできるんですか?」という質問が一番多かったような気がしている。
  尋ねられたところで、本当の答えを私は導き出せなかったのだが、プロカメラマンの鏡氏によれば、「雪の中に棒を立てておいても、その周りが溶けるよね?だからとりたててブナの樹だから周りが溶けるって訳じゃないんだよ」とのことだった。
  鏡氏との話の中では他に、この『根回り穴』には形があり、風上ほど雪は高く積もり、風下ほど風によって雪が積もり難くなっているために雪が溶け易く、故にこのような歪な円形が形成されて行くのではないかという話も出ていた。
  加えて、私が自分なりに考察すると、前回の『ブナ林の記憶』で述べたように、幹を伝った雨などが地面を伝い溶雪を早め、特にブナの周りの雪が早く溶けてなくなるとも考えられような気がした。そう言えば、杉などの樹では、この『根回り穴』はブナの樹ほど大きくはないのだ。
  白よりも土色の方が熱を吸収しやすく、一度『根回り穴』が開き、雪の下から地面が露出すると、特にその部分だけが雪溶けが早く進み、このような不思議な光景が浮き立ってくるのかも知れない。

  しかし、観ようによっては、ブナが確かに生きていて熱を発し、周りを溶かしたかのような錯覚を覚えなくもない。
  春先の『根回り穴』の映像は、雪国で生きるブナの木肌の温もりを感じさせる写真とも言える。

〔本日の写真は青森県八甲田山麓にある谷地温泉付近にて撮影〕

撮影日〔2003年5月16日〕

※ 撮影したRAWファイルを現像、JPEGに変換し、リサイズにより掲載。

【写真1】
 
【写真2】 雪の層が厚い幹の向こう側が風上、そして手前が風下と言える。
樹が曲がっているのは風のせいよりも、重い雪が圧し掛かってきたためだろう。
 
【写真3】
 
【写真4】
 
【写真5】
 
 
使用機材
撮影カメラ
Canon EOS-1D
撮影レンズ
EF16-35mm/FE15mm Fisheye
その他