※ このページは、2000-2004年まで続いたHP『津軽海渡のデジカメ紀行』に掲載していた写真や文面を、そのまま復刻させたものです。
   リンクは既に繋がっていないものが殆どであるため、その旨御了承下さい。
 
 
本日【2003年6月12日(木曜日)】の1枚の写真は!?
 
 
【青い森の青の季節(とき) 11/ブナ林の記憶 1】
 
 
  本日は4枚の写真を掲載いたしました。


  カメラマンの鏡氏の車に同乗させて貰い、私が八甲田山麓のブナ林に向ったのが5月16日だった。
  当日は早朝から霧雨が降ってはいたが、傘を必要とするくらいの雨ではなく、カメラにタオルを被せ、体は濡れるにまかせて撮影を続けた。
  本日掲載した写真は、そんなブナ林(二次林)の映像だが、残雪と霧雨が白い奥行きのある空間を演出してくれ、長年頭の中で想像し続けてきたブナ林の原風景を、こうして撮影することに成功した喜びは大きかった。

  ブナの木を撮影していて驚いたことがある。
  それは、ブナの木の表面に何か動く物をみつけ、思わず目を凝らして気付いたのだが、ブナの木肌を雨がしとしとと伝い、根元へと注いでいるのである。枝から幹に集まった水滴が、幾重の細かいさざ波を樹の表面上に作り、ゆっくりと下へ下へと移動している様は、初めて目にしただけに、ブナの知恵を垣間見たようで感動的であった。まあ、雨の日に樹を撮影したこともなければ、以前から雨の日の木肌をまじまじとみつめる機会もなかったためもあろうが・・・
  そう言えばブナの樹は、丁度人間が両手を上げV字型を作ったように、枝を天に広げ聳え立っている。V字型だからこそ、葉に降り注いだ雨滴は枝を伝い幹に集まり、やがて根元へと吸い込まれてゆく構造となっている。
  そう思って他の樹を観てみると、落葉樹の多くが、そんなV字型に枝を広げているのに改めて気付いた。これは杉などの針葉樹とは対照的であり、いかに春先に若葉を芽生えさせねばならない落葉樹にとって、水が大切なのかを知った思いだ。
  水が木肌を伝い易いように、ブナ科の木肌はすべすべとしているのが判るだろうか。これもざらざらとした木肌を持つ杉や松などの常緑樹とは全く異なった造りであり、同じ落葉樹でも表面が凸凹とした桜などとは明らかに違っている。それだけこのブナ類が、生きるために水分を必要としていることが窺えるのだ。

  ブナは氷河期が終わった頃から全世界に繁殖して行ったと考えられている。
  そういう意味でも、この雪解けの季節が、ブナにとっては最も活動的で保水の意味でも重要な時期だということが知れてくる。

〔本日の写真は青森県八甲田山麓にある谷地温泉付近にて撮影〕

撮影日〔2003年5月16日〕

※ 撮影したRAWファイルを現像、JPEGに変換し、リサイズにより掲載。

【写真1】
 
【写真2】
 
【写真3】
 
【写真4】
 
 
使用機材
撮影カメラ
Canon EOS-1D
撮影レンズ
EF16-35mm/FE35mm-350mm
その他
PLフィルター使用