※ このページは、2000-2004年まで続いたHP『津軽海渡のデジカメ紀行』に掲載していた写真や文面を、そのまま復刻させたものです。
   リンクは既に繋がっていないものが殆どであるため、その旨御了承下さい。
 
 
本日【2003年6月11日(水曜日)】の1枚の写真は!?
 
 
【青い森の青の季節(とき) 10
/世界遺産・白神山地のブナの巨木たち 3 『マザー・ツリー』】
 
 
  本日は4枚の写真を掲載いたしました。


  直径(胸高直径)が148cmもあり、幹回り(胸高幹回り)は実に465cmで樹高が約30m。
  それが青森県中津軽郡西目屋にある『津軽峠』近くに自生し、白神山地(30万ha)の頂点に君臨する巨木『マザー・ツリー』の大きさである。
  普通、ブナの成長のピークは80〜150年と短く、寿命も300年前後とされているが、この巨木の樹齢は約400年にも達するという。
  日本史で言えば、丁度『関が原の合戦』の頃に芽吹き、現在まで生き永らえているということになり、日本の中でも屈指の長寿と大きさであるらしい。
  因みに樹齢700年とされる和賀山塊〔秋田県角館市〕の日本一のブナは、幹回りこそあるが(10.1m)、樹高は25mと、この白神山地の『マザー・ツリー』のように高く聳えるという感じではない。年齢が成長のピークである150年を超えると、人間の老人と同様に、次第に背丈は下がってゆく傾向にあるようだ。

  まあしかし、ブナの原生林として世界遺産にも登録された白神山地の中で、最も巨大で長寿だというのは、考えてみれば空恐ろしいことである。
  現在この地で生きるブナの成長は全てこの樹が知っていて、多くのブナには、動物や鳥たちによって運ばれたこの樹に纏わる何らかのDNAが組み込まれているに違いない。そういう意味では、マザーというよりは更なる敬意を込めて『グランドマザー・ツリー』と名称を変更すべき存在なのかも知れない。

  この『マザー・ツリー』が存在する『津軽峠』付近には、これまで二回の『白神山地のブナの巨木たち』でアップした樹齢300年を経たような巨木が多数存在する。積雪の量や風や気候などの立地条件が、巨木を育て易かったということなのかも知れないが、現在は『白神ライン』で総称される元の『弘西林道』が造られた当時、広く知られてはいないが実に多くのブナの巨木が伐採され消えたという。それと共に、森に暮らす生き物の姿も激減し、森の動物を獲ることを生きる糧とするマタギたちも、森から次々と去って行った。
『私はもう年だからどうなったっていいのよ。だけど、この子たちが生きる森と仲間の動物が暮らす環境だけは、破壊して欲しくないの・・・』
『マザー・ツリー』の木肌に触れた時、私はそんな彼女の懇願と、哀しい悲鳴を聴いたような気がしてならない。

〔本日の写真は青森県中津軽郡西目屋『津軽峠』付近にて撮影〕

撮影日〔2003年6月7日〕

※ 撮影したRAWファイルを現像、JPEGに変換し、リサイズにより掲載。

【写真1】 片手に太陽を掴んでしまいそうなその大きさは正に偉大であり、樹木の母たる威厳を感じる。
 
【写真2】
 
【写真3】 巨大な樹には、巨大な根があり支えていることを忘れてはならない。
 
【写真4】 大人が両手を広げてもこの大きさ。
撮影に協力して下さったすりぶるさん、ありがとうございます。
すりぶる青い森探訪 http://www.actv.ne.jp/~overture/
 
 
使用機材
撮影カメラ
Canon EOS-1D
撮影レンズ
FE15mm Fisheye
その他