※ このページは、2000-2004年まで続いたHP『津軽海渡のデジカメ紀行』に掲載していた写真や文面を、そのまま復刻させたものです。
   リンクは既に繋がっていないものが殆どであるため、その旨御了承下さい。
 
 
本日【2003年6月2日(月曜日)】の1枚の写真は!?
 
 
【青い森の青の季節(とき) 1/輝く若葉 1】
 
 
  本日は4枚の写真を掲載いたしました。


  去る5月15日から28日までの二週間、私は津軽半島を除く青森県内の新緑が美しいポイントを、プロカメラマンの鏡学氏と周ってきた。以下に、その二週間の日程を表にしたので、御覧いただけたらと思う。

  弘前に生まれ弘前で18歳まで育った私でも、短期間で一気にこれだけの場所を周ったことはない。自家用車があれば、弘前の実家を拠点にして、八甲田辺りまでなら車で通えば良いだろうが、その土地土地の宿に泊まり、人々と語らう魅力はまた格別なものがある。
  また、弘前から十二湖に向う折でも、車での日帰りの時間を考えれば、撮影もおざなりにならざるをえないのだが、当地に宿泊するとなれば、被写体を写しこむことだけに集中できるため、違った角度から時間をかけての撮影も可能となり、いい絵ができる可能性が高い。
  宿泊する民宿や旅館、そしてたとえ格安のYHであっても、ビジターのことを常に考えていて、この土地でなければ食べれない美味な品々をそれとなく出してくれるから、舌も喜び、気持ちの上でも疲れも癒すことができるという特典も魅力的だ。
  今回私をいろんな撮影ポイントに連れて行ってくれた鏡氏は、宿泊費を浮かす目的で、三日の内二日は車中泊で、三日目に宿泊施設を利用する予定で福井から車で来たということだったが、さすがに柔らかな布団に横になった日は疲れがとれるそうで、翌日の撮影には力を集中できるとのことだった。

  さて、二週間の旅の感想を改めて記すと・・・
  青森県は本当に自然が豊かで、すばらしい故郷だと感じさせられた。
  それは、私が多くの時間を都会で過ごし、改めて県内を写真を撮影する被写体として眺めたことも起因しているだろうが、これまで触れる機会が少なかった若葉の萌える新緑の青森を旅してきたこともあったようである。
  紅葉の頃は、夜には刺すような寒さに包まれるが、今はせいぜい涼しいと感じる程度であり、虫が少なく、どこに行っても観光客が嬉しいほどに少なく、何よりも緑の葉や草や土の匂いが、鼻や袖を捲った肌にとても心地よいのである。
  茂り始めた葉は遠くの被写体を覆い隠すほどではないため、視野的にも遠目がきき、珍しい野鳥もみかけることができる。その梢の間からは、薫風が暑くなった日中にも涼を運んでくれる。
  山や森林や野に咲く花々が、長い冬が去り、本格的な春の訪れを声を張り上げ叫んでいるかのような気配を感じることができたのは、私だけではあるまい。青い森に生きる何もかもが、春を謳歌している姿を、至る所に見出すことができるのだ。

  二週間の旅行で使った全費用は約10万ほど。しかし、その費用以上の何か大切なものを、青森の森から、そしてプロカメラマンの鏡氏から学んだような気がする。
  鏡氏がカメラを抱え藪の中に消える。しばらくすると、手にウドやタラの芽を抱えて帰ってきたのには、思わず笑ってしまった。「写真撮りに行ったと思ったら、ウド採ってたんですね!」「そうそう!南斜面の日当たりの良い、木々の遮蔽物がないところに、生えてるんだよね」
  この生ウドをナイフで皮を剥き、味噌やマヨネーズを付けて直ぐに食べるのだが、採れたてのウドの美味いことと言ったらない。タラの芽は、鏡氏が刻み、自炊したラーメンに入れて食べたが、まあこの苦味のある味も、都会のスーパーで購入した品物では、決して味わえない醍醐味がある。
  また生の筍(たけのこ)も熊の気分になって味わい食べた。この苦味も何とも言えないオツな味だ。

『海の幸も山の幸も楽しめるりんごの故郷青森県』
  この県の魅力は、実は紅葉の秋でも、雪国として冬でも、夏祭りに賑わう夏でもなくて、長い冬に包まれた後、一気に木の芽が息吹く、春の青い季節(とき)なのかも知れないと感じた。

  最後に、仕事で忙しい中、さまざまな撮影ポイントに連れて行ってくれたプロカメラマンの鏡氏に、心から感謝しております。今回も様々なことを学ぶことができました。

※ 以下の表には宿泊費も掲載してあるが、一泊二食付きの宿泊費を含んで、一日の経費は約7,000円ほどの計算になる。『おいらせYH』では、宿泊客(ホステラー)の希望で車で15分ほど八甲田寄りの温泉地まで走ったところにある『蔦温泉』に連れて行ってくれるが、入浴料が400円ほどかかる。大正8年に作られた古い温泉場で、詩人の大町桂月が愛し暮らしたことでも知られている。湯もほどよく濁り、多少熱いが心地よい。しかし、この湯に10日も浸かれば入浴料だけで4,000円にもなるから、長旅ではできるだけ小銭の倹約が必要だと感じさせられた。まあ、一日の疲れを癒し、明日の活力にすると考えれば、その400円も安いものではないか。

【5月15〜28日/撮影備忘録】

5月15日(木曜日)【おいらせYH泊】 宿泊費/4,410円
弘前→(電車)青森→(JRバス)焼山/おいらせYH着(夕食後蔦温泉にて入浴)
昼頃に実家を出て、夕刻においらせYHに到着。移動に1日を使った。

5月16日(金曜日)【おいらせYH泊】 宿泊費/4,410円
鏡氏に同行し、おいらせYH(早朝4時)→谷地温泉(ブナ林)→おいらせYH(朝食後)→谷地温泉(ブナ林)→萱野高原(炊事による焼肉と烏賊飯による昼食)→おいらせYH着(夕食後蔦温泉にて入浴)
早朝から雨が降り、ブナの木肌が黒く濡れて絵になった。その後、ブナ林に霧が出て、この撮影旅行で最も気に入った写真が撮れた。萱野高原にて鏡氏と炊事による昼食。この日は寒かったなあ・・・。YHに到着後、写真を外部ハードディスクに移し終えた後に、マイクロドライブを二個破損する。昨年の7月に、ヨドバシカメラで一個37,000円で購入した品物だから、74,000円の損失であった・・・。(T_T)撮影枚数は約1100枚。

5月17日(土曜日)【おいらせYH泊】 宿泊費/4,410円
鏡氏に同行し、おいらせYH→谷地温泉(ブナ林)→八甲田(睡蓮沼と水芭蕉)→城ヶ倉大橋→大平(ビジターセンターにてラーメンの昼食)→虹の湖→おいらせYH着(夕食後蔦温泉にて入浴)
当初は奥入瀬渓流を通って虹の湖に向う予定であったが、天気が良くなったことから途中から引き返し、昨日ブナ林を撮影した谷地温泉方面に向う。霧に陽が差し込み、昨日とは違った写真を撮ることができた。霧は1時間もせずに消えてしまったが、晴れた空の下で白い水芭蕉が美しかった。撮影枚数は約600枚。

5月18日(日曜日)【民宿/白神荘泊】 宿泊費/6,500円
鏡氏に同行し、おいらせYH→黒石→弘前→西目屋(コンビニで購入したおにぎりにて昼食)→岳高原(岩木山)→鰺ヶ沢→深浦→岩崎村(民宿/白神荘着)
津軽ダム建設のために、湖底に沈む西目屋にて昼食をとる。村からは多くの民家が消え、異様な雰囲気があった。湖面に浮かぶ木々を撮影後、急いで日本海に面する秋田県との県境にある岩崎村へ。岩崎村まで通じている『白神ライン』は23日に全面開通とのことで、鯵ヶ沢を経由し大回りして十二湖方面へと向う。撮影枚数は約200枚。

5月19日(月曜日)【おいらせYH泊】 宿泊費/4,410円
鏡氏に同行し、民宿/白神荘→十二湖(沸壺の池)→十二湖(青沼)→十二湖入り口にて炊事によりラーメンの昼食→深浦→鰺ヶ沢→弘前→虹の湖→十和田→おいらせYH着(『こちら本池上署をYHのテレビで観る)
午前7時半には十二湖へと撮影に向う。鏡氏の誘いで初めて『沸壺の池』に向ったが、その美しさに感銘。二人共に時間を忘れ撮影に集中する。その後青池も撮影。自炊の昼食後、午後2時過ぎに十二湖を出発。鏡氏、弘前の『キタムラ』のてリバーサルフィルムを購入。午後7時においらせYHに到着。午後8時より、私が脚本を執筆した『こちら本池上署』を観る。えがったなあ・・・矢口真里の演技が良かった!翌日には、プロデューサーと監督から神奈川に電話が入る。スポンサー(ナショナル)が、番組に感動し、相当喜んでくれたらしい。これで次回は書きやすくなる??矢口真里本人からも感謝を述べる連絡がドラマ制作会社に入ったとのことを知らされる。撮影枚数は約700枚。

5月20日(火曜日)【おいらせYH泊】 宿泊費/4,410円
おいらせYH→(JRバス)石ケ戸(奥入瀬渓流)→さみだれの流れ→石ケ戸(売店のおにぎりで昼食)→雲井林業→(JRバス)焼山(おいらせYH着/夕食後蔦温泉にて入浴)
鏡氏は秋田に単身撮影に向う。私は奥入瀬渓流にバスで向う。当初はこの日一泊だけで帰る予定であったが、撮影ポイントが多く、というよりも撮影時間が長くなってしまい、明後日以降に帰宅を伸ばす。
石ケ戸付近を中心に撮影し、雲井林業まで歩いて明日の下見をし、バスでYHに帰って来た。マイクロドライブを二つ破損した影響が随分と出ていた。残り2枚のマイクロドライブで撮影できる枚数は約600枚。だが私は撮影量が多いために、完全に撮影に失敗したと思える映像を消去しながら、撮影を続けている。

5月21日(水曜日)【おいらせYH泊】 宿泊費/4,410円
おいらせYH→(JRバス)石ケ戸(奥入瀬渓流)→雲井の滝→阿修羅の流れ(石ケ戸の売店で買ったおにぎりで昼食)→銚子大滝→子の口→(JRバス)焼山(おいらせYH着)
バスで再び石ケ戸に向う。明日には帰ろうと思っていたが、結局本日も雲井の滝前で撮影が終わってしまい、とりあえず子の口まで歩いてみる。連日の長距離歩行にへばり、子の口ではビールで一人乾杯。撮影枚数は約600枚。奥入瀬渓流には美しく陽光に輝く、まだまだ虫に食べられていない葉が多い。後に向う蔦沼よりも、その点では優れていた。

5月22日(木曜日)【おいらせYH泊】 宿泊費/4,410円
おいらせYH→(ホステラーの車に乗せて貰い)阿修羅の流れ→雲井の滝→銚子大滝付近(石ケ戸の売店で買ったおにぎりで昼食)→子の口→(JRバス)焼山(おいらせYH着)
ロシアで起こった大規模な山火事の影響で、太陽がオレンジ色に輝き、昼でもまるで夕刻のような風景となってしまった。十和田湖も翳んで何も見えない。阿修羅の流れで相当な時間を要してしまい、まともに撮影できたのは雲井の滝まで。背負う荷物が20キロもあるため、腰にも悪いらしく腰痛に苦しむ・・・。撮影枚数は約600枚。

5月23日(金曜日)【おいらせYH泊】 宿泊費/4,410円
おいらせYH→(ホステラーの車に乗せて貰い)九段の滝→銚子大滝→子の口(レストランで味噌ラーメンの遅い昼食)→(JRバス)焼山(おいらせYH着/夕食後蔦温泉にて入浴)
九段の滝から撮影を開始する。銚子大滝までは徒歩で5分ほどの距離であり、四日目にしてやっと奥入瀬渓流の撮影が終わるとの安堵があった。撮影枚数は600枚。十和田湖は本日も翳んで見えない。YHに帰った後、再び鏡氏と逢う。北海道に渡って撮影するとのことだったが、いろんな理由から下北半島を周るとのこと。明後日からまた同行させてもらうこととなった。

5月24日(土曜日)【おいらせYH泊】 宿泊費/4,410円
おいらせYH→蔦沼(蔦沼売店で買ったおにぎりで昼食)→焼山(おいらせYH着)
ここの温泉には何度も入ったが、今期、初めて『蔦沼』の撮影に向う。新緑というには頃を少し過ぎ、葉は至る所虫に食べられていて、なかなか目ぼしい葉を見つけることができなかった。エゾ春ゼミの鳴き声はすさまじく、ここだけまるで初夏であった。撮影枚数は約400枚。

5月25日(日曜日)【岩屋(尻屋)/相馬旅館泊】 宿泊費/7,000円
鏡氏に同行し、おいらせYH→十和田町→横浜町(焼きホヤと焼きホタテ)→むつ市→尻屋灯台→尻屋崎ビジターセンター(横浜町で購入したコロッケで昼食)→ヒバの埋没林→岩屋(尻屋)/相馬旅館着
日曜日ということもあり、観光名所はどこも人でいっぱい。特に尻屋の寒立馬をひと目見ようと、家族連れが多かった。仔馬は人々に怯え、撮影ははかどらない。期待していたヒバの埋没林は行くだけ損かも。目名小学校の木造校舎が印象的であった。撮影枚数は約350枚。

5月26日(月曜日)【脇野沢YH泊】 宿泊費/4,460円
鏡氏に同行し、岩屋(尻屋)/相馬旅館(早朝4時)→尻屋崎(寒立馬の撮影)→岩屋(尻屋)/相馬旅館(朝食後)→むつ市→大間町→仏ケ浦→国道沿いにてカップラーメンと仏ケ浦にて採ってきた生ウドによる昼食→九艘泊→脇野沢YH着
早朝4時から尻屋に寒立馬の撮影に向うが、岬を一周し、森の中を歩くも寒立馬の集団についに出逢うことができずに帰ってきた。撮影できたのは岬の入り口で飼われていた母子の寒立馬だけ。残念・・・。歩いただけ、旅館での朝食は美味かった!岩屋を出発後、大間町へ。今はバイパスができて道が随分と良くなっていた。この町は最果てにあるだけ、やはり寒い!!仏ケ浦で随分と撮影したが、駐車場から海岸への上り下りに相当体力を使う。脇野沢までの道は随分と整備されてはいるが、通行車両が余りにも少ない・・・。脇野沢に到着後、九艘泊(くそうどまり)まで向う。寂れた漁村の風景をしばし撮影。結局この日は世界最北の猿には逢えなかった。撮影枚数は250枚ほど。

5月27日(火曜日)【かんぽの宿(碇ヶ関)泊】 宿泊費/8,800円
鏡氏に同行し、脇野沢YH→芋田(脇野沢)→むつ市→青森(ゆーさ浅虫にてそばと焼きホタテ、焼き烏賊による昼食)→弘前→西目屋→白神ライン(ブナの木の撮影)→西目屋→弘前→碇ヶ関(かんぽの宿)着
脇野沢YHのペアレント・磯山さんに教えてもらい、昨日猿がいたという沢に向うが、結局逢えず・・・。その代わり、西目屋の白神ラインにて私は一匹のはぐれ猿を目撃する。本日の走行距離は270キロほど。高速道でもない一般道を、これだけ走ると相当疲れるようで、鏡氏は『かんぽの宿』でぐったり・・・。白神ラインは開通して間もないために、ブナの林は人が踏み荒らした様子もなく、ブナの妖精(ブナの芽)も辺り一面に生えていた。撮影枚数は約300枚ほど。

5月28日(水曜日)【弘前の実家に到着】
鏡氏に同行し、碇ヶ関(かんぽの宿)→(鏡氏の車にて)弘前の実家
鏡氏が西目屋の白神ラインには戻らずに、相馬村方面から秋田に抜けるとのことで、ここで別れることに決める。本当に長く車に同乗させて貰って、感謝!撮影の折には、撮影ポイントの教授や、旅館に帰宅してからは、構図へのアドバイス、本当にありがとうございました。こうして、私の春の撮影がすべて終了致しました。とにかく、撮影撮影で相当疲れもしましたが、好きなことをしていたので、とにかく楽しかったという感慨が強い撮影旅行でした。

〔本日の写真は青森県十和田市にある奥入瀬渓流にて撮影〕

撮影日〔2003年5月21日〕

※ 撮影したRAWファイルを『Photoshop』にて現像、JPEGに変換し、リサイズにより掲載。


【以下はいずれも陽光に輝くブナの葉】

【写真1】 向こうの黄色い光は、ブナの葉が陽光に輝き葉形の輪になったもの。

 
【写真2】 木漏れ日が、葉の節々を照らし輝いていた。
 
【写真3】 葉陰で、蚊が休んでいるのが判りますか?

 
【写真4】 葉が重なったところの緑が濃くシルエットとなった葉。
春の葉は、それだけ薄く木陰に入っても緑色の光に包まれるほどだ。
 
 
使用機材
撮影カメラ
Canon EOS-1D
撮影レンズ
EF100mm MACRO/FE35mm-350mm
その他
PLフィルター使用