※ このページは、2000-2004年まで続いたHP『津軽海渡のデジカメ紀行』に掲載していた写真や文面を、そのまま復刻させたものです。
   リンクは既に繋がっていないものが殆どであるため、その旨御了承下さい。
 
本日【2003年年1月14日(火曜日)】の1枚の写真は!?
 
 
【祝!! 成人の日 U〜笑顔の語らい〜】
 
 
  本日は、久しぶりにたった1枚の写真を掲載致しました。


  現在私が暮らす神奈川県内で、今年成人を迎えた男女は10万2567人で、昨年を200人下回るという。
  県内では、それぞれ大規模な式典が行われ、私が最寄り駅とする『小田急線相模大野駅』にも、着物姿の新成人が朝早くから訪れていた。
  ならば最寄り駅近くで着物姿の女性を撮影すれば良いではないかと思われるだろうが、スナップ写真で最も大切なことは、私は被写体選びであると信じており、その格好の素材が最も頻繁に訪れる場所を選ぼうと思った。
  そう考えると、やはり私の近辺では古都『鎌倉』以外は考えられないと、そして過去二年間に渡り撮影してきた手馴れた場所であることから、三度『鶴岡八幡宮』へと向かったという訳である。

  しかしどういう訳か、今年『鶴岡八幡宮』を訪れてくる着物姿の女性は平年よりも少なく、去年の半分、一昨年に比べると三分の一程度のように思われた。
  午前10時半に境内に辿り着いた私であるが、過去の経験から、和服姿の女性達が頻繁に現れるのは、成人式を終えた午後になってからであり、それまでは境内のあちこちを徘徊し、どこで撮影したらより面白い映像が撮れるのかを丹念に観て周った。
 
  だが、今年の撮影に限って言えば、私自身妙に覚めたものがあり、カメラを構えることが随分と億劫にも感じられた。
  前日までは、「よおし、撮影に行くぞ!」と意気込んではいたが、いざ鎌倉に到着してみると、何か倦怠感に似たものが全身を覆っている。
  昨日は遅くまで、過去に『鶴岡八幡宮』で撮影された写真を観て過ごしたが、これまでと同じような映像を撮ることに嫌悪感が感じられたことが思い起こされる。
  撮影場所を変えるとかすれば少しは気が晴れたのだろうが、通い慣れた鎌倉の方が、経験がある以上、シャッターチャンスに恵まれる確率が高いことを知っていた。
  しかし、実際に鎌倉に到着し、段葛を『八幡宮』へと向かう道すがら、「今日も同じパターンで撮影するのか・・・」と思うと、好天とは裏腹に、私の心には鬱屈した雨雲がたちこめはじめていたのも事実であった。
  やがて私は、一つの誓いを心の中に立てていた。
『EOS 1Dでの撮影時には、写真を撮らせてくれませんか?という言葉を発しないで、スナップ映像としてどこまで撮れるかやってみよう・・・。特に全身を含めた動きのスナップではなくて、顔を中心とした表情のスナップ映像を・・・』
  そう決意してからは、『着物の美しさを全面に押し出したスナップではなく、美しい着物を着たことで変わった二十歳の笑顔を撮影しよう』と、レンズをEF35-350mm一本にのみ絞り、終日レンズ交換することもなく撮影に挑んだ。

  しかし、なかなかそのような映像は撮影できなかった。
  日頃着慣れない着物と草履を履いたことで気持ちも張り、周囲の視線も増えたことで、表情は強張ることが多くなる。そんな彼女たちにカメラを向ければ、ますます心を閉じる女性も多く、思うように撮影はできない。
  それに何のエクスキューズもなく多くのカメラマンからレンズを向けられることを喜ばない女性もいて、こちらとしても、撮られることを楽しめる女性を、それとなく見つけることがなかなかできないでいた。
  これまでの感から、撮影を快諾し、それでいて優しい笑みを浮かべてくれる女性にはパターンがあり、そのような言うなれば私好みの女性は、この日は特に少なかったように思う。
  先にも書いたように、今回は撮影の許可を貰わずに、ゲリラ的に撮影をするにしても、やはり撮られることに不快感を持たない女性を狙うのが一番だと思えたからである。

  そんな中、『八幡宮』境内で午後2時から始まった『成人の儀』に出席した女性の中に、私が狙うそれらしい女性を見つけ連写を始めた。その中の一枚が、本日掲載した映像である。
  儀式の最中に、神官から渡された絵馬に、願い事を書く女性。(写真左)
  右の女性は古くからの友人らしく、左の女性が描く言葉を観て、なにやら微笑み語りかけていた。
  その二人の笑顔がとてもすばらしく、久しぶりに毎秒8コマの連写を用い、1Dで撮り続けた。
  白いショールの中に、二十歳になったばかりの笑顔と健康的な肌があり、互いに微笑みあう様は傍目からみてもオーラが感じられたほどであった。

  二十歳の君たちに、その笑顔と同様の美しい未来が訪れますように・・・。

〔本日の写真は神奈川県鎌倉市にある鶴岡八幡宮境内にて撮影〕

撮影日〔2003年1月13日〕

※使用機材 Canon EOS-1D/EF35-350mm
キヤノンEOS-1Dにて撮影されたRAWファイルを現像、レタッチを施し、JPEGに変換し、リサイズにより掲載。

「何を書くの?」「やっぱりこれしかないでしょう」と絵馬に書く願い事のことを話し談笑する二人。二人の笑顔がとても上品で印象的であった。

 
 
使用機材
撮影カメラ
Canon EOS 1D