※ このページは、2000-2004年まで続いたHP『津軽海渡のデジカメ紀行』に掲載していた写真や文面を、そのまま復刻させたものです。
   リンクは既に繋がっていないものが殆どであるため、その旨御了承下さい。
 
 
本日【2001年8月27日(月曜日)】の1枚の写真は!?
 
 
【夏祭りの季節20/青森ねぶた12・『ひき手?』あまたの『扇子持ち』1】
 
 
本日は6枚の写真を掲載致しました。
大分重くなっておりますので、出揃うまで今しばらくお待ち下さい。m(__)m

大阪府岸和田市には、『だんじり祭』という祭がある。
3500キロもの“だんじり”と呼ばれる山車を、曳き手という人間達が大勢で引っ張り、町中を練り歩くという祭であるが、毎年多くの怪我人や、時には死者まで出す、危険なことでも有名な祭だ。
各町内から出る“だんじり”の上には、『大工方(だいくかた)』と呼ばれる人間が両手に扇子を持ち載る。
だんじりは、“やりまわし”と呼ばれる通りを勢いをつけて曲がるシーンが主な見せ場であるが、そんな過激な動きに際しても、『大工方』は落ちることなく扇子を舞わせ、だんじりの屋根の上を跳ねまわり、観衆の目をひきつけ続けなければならない。
『大工方』は、だんじりまつりの華であり、誰しもが憧れるヒーローでもある。

ねぶた祭にも、『大工方』に似た仕事がある。それが、『曳き手(ひきて)』と呼ばれる人間たちである。
さすがに、紙と針金で出来たねぶたの上には載れないが、共に山車やねぶた本体を、観客に魅せる作業に一役かっている。
『大工方』とねぶたの『曳き手』の大きな違いは、『曳き手』は、ねぶた本体を自由に動かせる権利を有し、観客を楽しませ、その一方で怪我人がでないように細心の注意を払い、ねぶた本体の運行責任を背負っているという点であろう。
だんじり祭の『大工方』は確かに目立ちはするが、実際に“だんじり”の運行及び、運行の責任に関与はしていない。

写真1にて、ねぶたの手前で金色の扇子を振るっているのが、『ひき手』と呼ばれる、ねぶたを進行させる集団の中の棟梁でもある『扇子持ち』と呼ばれる人間である。
この『扇子持ち』の指示により、動きが鈍く、何かにぶつかるとすぐに壊れるねぶた本体が慎重に動き、運行されている。
一昨日の8月25日にアップした、『いざ、出陣!』のページを合わせて観て頂ければよおく解ると思うが、ねぶたを小屋から出す際も、また仕舞う際も、この『扇子持ち』がすべてを管理し、運行が行われている。
ゆえに、『大工方』よりは目立ちはしないが、遥かに責任が重い任務だとも言える。

曳き手が手にする金扇子が右へと向けられる。
するとねぶたは、右へと旋回を始める。
今度は、左だ!
ねぶたは、左へと大きく旋回し、時には回転さえはじめる。
ねぶたの運行の醍醐味を演出するのは、まさに曳き手の技次第であると言っても過言ではない。
また、ねぶたの前に位置するハネトや、後ろに従う太鼓との距離を見定め、本体を前進させたり、待機させたりするのも『扇子持ち』の腕次第と言えよう。

闇の中では光り輝くねぶた本体に比べ、決して目立たない存在でもある『扇子持ち』だが、その動きをつぶさに見る機会に恵まれたのは、6日間の祭開催期間の中で、唯一昼に運行される7日日と呼ばれる日のことであった。
陽の光の中で見る『扇子持ち』は、体を柔らかくくねらせ、自分が踊っているかのようなパフォーマンスを伴い、ねぶた本体を自由自在に動かす。
それは正に芸術であり、ねぶた本体を見るよりも私は面白いと感じたほどである。

『扇子持ち』になりたいという人間も、関係者の中には多いだろうが、『扇子持ち』には、洞察力の他にも、ねぶたを引っ張る若者達を把ね従わせる、いわゆるカリスマ性が最も大切なのかも知れない。
『扇子持ち』が優柔不断であったり、頼りない男だったりしたら、チームワークは崩れ、それが千鳥足のような動きとなって現れ、運行に差し支えが起こるだろう。

優秀な『扇子持ち』は、他のねぶたを有する団体でも、是非とも欲しい筈だ。
ねぶたの舞いは、ねぶたに賞を与える審査員にも好感を持って迎えられ、高い評価(賞)へと繋がるからだ。

そんな人間は、まさしく、“ひくて、あまたの扇子持ち”といったところではないだろうか。

〔本日の写真は青森県青森市にて撮影〕
撮影日〔写真1,2,3,は2001年8月4日/写真4,5,6,は2001年8月6日〕

【写真上1】ミノルタ DiMAGE7で
ストロボを用いオート(プログラム)撮影。
画質/ファイン。
 
【写真上2】ミノルタ DiMAGE7で
ストロボを用いオート(プログラム)撮影。
画質/ファイン。
 
扇子持ちの指示一つで、ねぶたの姿は生きも死にもする。

【写真上3】ミノルタ DiMAGE7で
オート(プログラム)撮影。
画質/ファイン。

 
【写真上4】ミノルタ DiMAGE7で
ストロボを用いオート(プログラム)撮影。
画質/ファイン。
 
バスガイドのように、大型のねぶたを幹線道路に誘導する。

【写真上5】ミノルタ DiMAGE7で
オート(プログラム)撮影。
画質/ファイン。
 
ねぶたを引っ張る10人衆の中に、美人の女性がいた。
彼女の目は、扇子持ちに向けられる。
あぁ、そんな視線で見つめられたら、扇子持ちは辞められませんって…

【写真上6】ミノルタ DiMAGE7で
オート(プログラム)撮影。
画質/ファイン。
写真Dと同じ時に撮った別の写真を、
パソコンに取り込んだままの映像をトリミングし掲載。

 
 
使用機材
撮影カメラ
ミノルタ DiMAGE7